前走スピード指数(完全タイム差)が1番高い馬を買い続けたらどうなるのか検証した結果

競馬_理論

Twitterで時計について色々議論が白熱していたようなのである程度の答えを書いておく。

持ち時計=馬場差を考慮して真の価値

まず単純に持ち時計だけを比較するのはあまり意味がない。

大事なのはタイムの価値で、価値の高いタイムなのか価値の低いタイムなのかどうかが重要。

その価値の判断基準の一つとしては、トラックバイアス(馬場差)がある。

 

例えば同じ芝1600でも良馬場なのか不良馬場なのかによってタイムが全く違う。

まぁ良馬場と不良馬場くらいはっきりと分かれていればわかりやすいけど、

実際には良馬場発表でも時計が出やすいときと出にくいときがあったりするので、

単に良・稍重・重・不良の4分類だけで判断するのは難しい。

だから目先の持ち時計という数字だけをみて判断するの危険。

 

ただ全く参考にならないというわけではなく、その日のトラックバイアスを読み切れているときは使える。

例えば不良馬場での過去の持ち時計などは比較材料になるかもしれない。

しかし当日のトラックバイアスを正確に読み切るのは難しく、

余程の専門家であるか、あるいは各地にトラックマンを派遣して実際に馬場をチェックできるようなプロじゃないと厳しい領域だと思う。

自分でコントロールしきれない以上、個人的にはある程度割り切って考えたほうがいいと思う。

 

トラックバイアスは基本的には事後で判断するしかなく、それも結局は自分だと正確な数値として出すのは難しい。

そういうときはメディアを参考にするのがベターなので、正しいかはわからないけど、自分はグリーンチャンネルの先週の結果分析の馬場差を当てにしている。

知ってる限り一番細かく馬場差を定量的に数値化しているメディアであり、歴史のある番組なのでそこそこ信頼できる情報だと思う。

netkeibaとかだと単位が荒すぎて使い物にならない認識。

 

先週の結果分析的だと、馬場差などもろもろを考慮したタイムを「完全タイム差」と呼んでいるので、以降この記事ではこの単語を使用して説明する。

 

前走の完全タイム差が1番高い馬を買ったらどうなる?

時計の価値を正確に判断できるようになってまず思いつくのは、

前走の完全タイム差が一番高い(速い)馬を買えばいいのでは?

という発想。そこで検証してみた。

検証期間は2020年6月6日から2023年2月12日まで、前走完全タイム差が1位(=そのレースの中で最も前走スピード指数が高かった)馬 8579頭を対象とする。

下記はエクセルデータの一部だけ抜粋したもの(実際には8579件あり)。

日付 条件 馬場 距離 馬名 騎手 斤量 間隔 単オッズ 複オッズ 着順 人気 Z指数 前走指数順位
200606 3未 ダート 1400m ウィップラッシュ 菊沢一 53 13 26.2 4.4 2 7 65 1
200606 3未 ダート 1300m リングアベル ルメー 54 10 5.4 1.7 5 3 66 1
200606 3未 1600m トキメキ 木幡巧 54 4 11.1 1.6 4 4 71 1
200606 3未 ダート 1600m サウンドトラック レーン 56 2 1.9 1.1 8 1 72 1
200606 古馬1勝 ダート 1400m ヴァンデリオン 藤田菜 52 3 7.5 1.9 7 3 76 1

 

集計結果は以下のとおり。

単勝回収率:83.8%
勝率:21.2%
連対率:36.7%
複勝率:51.9%
平気人気:3.13

控除率は突破しているので悪くはない数字ではあるが良くもない。

結論としては、時計の価値だけで判断しても儲からないってことになる。

 

これだけだと全く指数がアカンと思われてしまうので違うデータも載せておく。

逆に前走完全タイム差(Z指数)が10位以下だった馬の成績は以下のとおりになる。

・該当件数37427件で単勝回収率64.4%

このように足切りのフィルターとしては使えたりする。

 

勝つためには+αの工夫が大事。

 

ちなみに指数って言葉は結構定義が曖昧で、人によって何を指しているのが違ったりするので結構説明がめんどくさい。

自分の場合はなんか色々とロジックを組み合わせて最終的に算出した値のことを指数と呼んでいることが多い。

そうじゃない素の指数のことはスピード指数っていう使い分けをなるべくしているつもり。

(イメージ)
スピード指数+個別のロジック=指数

∞指数とかM指数とか言っていたらそれのことだと思っていただければ。

世の中には色々な指数が出回っているけど、結局は指数の数値のもとになる何かしらの基準が必要になるはずなので、おそらくスピード指数的なものは使用しているはず。

その辺はノウハウなので誰も教えてくれないと思うけど、気になるところではある。

 

まとめ

話を一番最初に戻すと、持ち時計が使える条件は次のとおり。

①過去の時計の真の価値がわかっていること
②過去の時計のトラックバイアス(馬場差)がわかっていること
③レース当日のトラックバイアス(馬場差)を読み切っていること

コメント

タイトルとURLをコピーしました