「来るか来ないかじゃなくて、買うか買わないか」
――このタイトル、競馬で本気で勝ちにいく人の“合言葉”だと思っています。
多くの人はレースのたびに、こう考えます。
「この馬、来るかな?来ないかな?」
でも長い目で見て勝つ人は、まったく違う問いを自分に投げています。
「このオッズ、この条件なら “買う” べきか? それとも “買わない” べきか?」
この記事では、「来るか来ないか」から「買うか買わないか」へと頭のスイッチを切り替えることで、どうやって回収率を上げていくのか、その理論と考え方を整理します。
1. 競馬で「勝つ」とは何か?
まずゴールの定義からです。
- 的中=勝ち
- 外れ=負け
こう考えると、どうしても「当てたい」気持ちが先行します。
でも、長期的に見たとき、本当に重要なのは次の2つだけです。
- 的中率:「どれくらい当たるか?」
- 回収率:「お金が増えたかどうか?」
極論を言えば、
- 的中率10%でも、回収率120%なら 勝ち
- 的中率50%でも、回収率80%なら 負け
です。
つまり、「来たかどうか」よりも
その馬券を買ったこと自体が、期待値として正しかったか?
を評価する必要があります。
2. 視点の転換:「来る/来ない」から「買う/買わない」へ
多くの人は、レース前にこう悩みます。
- 「この人気馬、飛びそうな気がする」
- 「穴馬が気になる、来そうな気もする」
- 「本命堅そうだし、ここはガチガチかな」
でも、本当に考えるべきは「確率」と「オッズ」の掛け合わせです。
2-1. ざっくり期待値のイメージ
たとえば単勝10倍の馬がいるとします。
自分の感覚・データ・指数から見て、
- 「この馬が勝つ確率は 15%くらい はある」
と本気で思えるなら、
- 期待値 ≒ 10倍 × 0.15 = 1.5
1.0を超えている → 買うに値する
逆に、単勝3倍の馬に対して
- 「勝つ確率は 20%くらい かな…」
としか思えないなら、
- 期待値 ≒ 3倍 × 0.20 = 0.6
1.0を下回る → 買わないほうがいい
ここで大事なのは、
◎「来ると思うから買う」のではなく、
◎「オッズに対して “お得” だから買う」
という基準に変えることです。
3. 「買う/買わない」の判断軸はたったの2つ
競馬の検討プロセスを、シンプルに分解するとこうなります。
- この馬が来る確率(主観的な勝率)を見積もる
- 今ついているオッズと比較する
- そして 買うか/買わないか を決める
3-1. 主観的な「勝つ確率」をどう作るか?
ここは人それぞれの「理論」や「指数」の出番です。たとえば:
- ラップ、上がり、コース適性
- クラス実績、脚質、枠順
- 騎手・厩舎・ローテーション
- 自作の指数やモデル
いろんな要素がありますが、やるべきことは一つ。
自分なりのルールとロジックで「相対評価」を数値化する
- 指数1位:勝率○%
- 指数2位:勝率○%
- 条件A(得意条件)のときは上方修正
- 条件B(苦手条件)のときは下方修正
…といった形で、「なんとなく」ではなく「自分の物差し」に落とし込んでいきます。
3-2. オッズとの比較で「ライン」を決める
勝つ確率を仮に数字にできたら、次はオッズと比較します。
- 単勝オッズ:5倍
- 自分の見積もる勝率:30%(0.3)
ざっくり期待値は:
- 5 × 0.3 = 1.5 → 買い
となります。
一方で、
- 単勝オッズ:2倍
- 勝率:30%
なら
- 2 × 0.3 = 0.6 → 見送り
この「期待値1.0を境界に、どこまで上なら買うか」を、ある程度ルール化しておくとブレません。
4. 「買わない勇気」が回収率を守る
「来るかもしれないけど、オッズが安すぎるから買わない」
この決断ができるかどうかで、回収率は大きく変わります。
4-1. 人は「当てたい欲」に弱い
- 本命が堅そう → 「ここは当てて気持ちよくなりたい」
- ガチガチ1倍台 → 「飛んだら嫌だから、保険で買っておくか」
- 人気サイド+穴馬 → 「どっちも押さえておけば安心」
こうやって「的中率」を盛ろうとすると、
気付いたら トリガミだらけ になります。
4-2. 「当たるけど儲からない馬券」を減らす
期待値の視点に立つと、
- 当たるけどマイナス期待値の馬券
- 当たらないけどプラス期待値の馬券
というものが存在します。
「当たるけど儲からない馬券」をどれだけ減らせるか
「当たらないことも多いけど、長期ではプラスの馬券」をどれだけ積み上げられるか
この意識が、「買うか買わないか」の本質です。
5. 買い方のルールを決める
理論を“実戦用”に落とすには、具体的なルールが必要です。例として:
5-1. レース選択のルール
- 買うレースの条件を絞る(例:クラス・頭数・馬場・場)
- 自分の指数や分析が効きやすい条件に集中する
- 「なんとなく時間があるから買うレース」をゼロに近づける
5-2. 馬券種のルール
- 基本は単勝・複勝/ワイドなど、シンプルな券種に絞る
- 三連複・三連単などは「期待値の見積もりに自信があるときだけ」
- 「とりあえず穴だから三連単」みたいな感情買いをやめる
5-3. 賭け金のルール
- レースごとに「ベット額の上限」を決める
- 「今日は勝ってるから倍プッシュ」は禁止
- 「今日は負けてるから取り返しにいく」も禁止
ここでも軸は同じです。
「来そうだから金額を上げる」のではなく、
「期待値が高く自信もあるから、ルールの範囲で厚く張る」
6. 記録と振り返りで「理論」を育てる
競馬で勝つための理論は、「考えた瞬間」ではなく
実際に買って、結果を積み重ねて、修正を続けたとき
にようやく“本物”になっていきます。
6-1. 記録するポイント
最低限、次の項目は記録しておきたいところです。
- レースID
- 買い目・賭け金
- オッズ
- なぜその馬券を買ったか(簡単なメモ)
- 結果(着順/払戻)
- その馬券の期待値評価(主観でもOK)
6-2. 見直すポイント
- 「ルール通りに買った馬券」と「感情で買った馬券」を分けて分析
- クラス別・コース別・馬券種別の回収率を確認
- 「買う/買わない」の判断基準がブレていないかを点検
こうした振り返りを通して、
- 「この条件なら、もっと攻めていい」
- 「このパターンは得意だと思っていたけど、実は弱い」
- 「この買い方は回収率が悪いから封印しよう」
といった改善サイクルが回り始めます。
7. 理論は「的中自慢」ではなく「決断の質」を上げるためにある
最後に、このタイトルをもう一度。
「来るか来ないかじゃなくて、買うか買わないか」
- SNSにアップする「万馬券スクショ」
- たまたま取れた穴馬の武勇伝
- 大勝ちした日の興奮
こういったものは、競馬の楽しさの一部ではあります。
でも、「長期的に勝つ」というテーマで見れば、本当に大切なのは、
目の前の一枚の馬券に対して
“買う価値があるかどうか” を冷静に判断できたか
この1点だけです。
- 来そうでも、安すぎるなら「買わない」
- 来るか怪しくても、オッズが甘いなら「少額だけ買う」
- レース自体、妙味がなければ「見送る」
この積み重ねが、
的中率よりも 回収率 を重視する、「勝つための競馬」の土台になります。
まとめ
- 競馬で本当に大事なのは「来たかどうか」ではなく「お金が増えたかどうか」=回収率
- そのためには、「来る/来ない」の発想から「買う/買わない」の発想に切り替える
- 勝つ確率(主観)とオッズを掛け合わせて、「期待値」で判断する
- 「当たるけどマイナス期待値の馬券」をどれだけ減らせるかが鍵
- ルール化(どのレースを、どの券種で、いくら買うか)と記録・振り返りで、理論を育てていく
あなたが次に馬券を買うとき、
ぜひ自分にこう問いかけてみてください。
「この馬が来るかじゃなくて――
このオッズで、“買う価値” は本当にある?」
そこから先が、「勝つための競馬」のスタート地点です。

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