競馬をやっていると、どうしても「夢」という言葉に引っ張られます。
- 3連単で一撃10万馬券
- 有馬記念で今年の負けを全部取り返す
- GⅠの日だけはいつもより張る
こういう「夢のある馬券」は、たしかに見ていて気持ちがいいです。
SNSでも話として盛り上がりますし、「当たったら人生変わるかも」という妄想もできます。
でも、長期的に 「競馬で勝つ」 という視点で見たとき、
私はあえてこう言いたいです。
馬券に「夢」はいりません。
代わりに、自分の「プライド」を乗せるべきです。
この記事では、
- 馬券における「夢」とは何か
- なぜそれが回収率をむしばむのか
- では「プライドを乗せる」とはどういうことなのか
- 実務的にどんなスタンスで馬券と向き合うべきか
を整理してみたいと思います。
「夢のある馬券」は、だいたい期待値がない
まず整理しておきたいのは、
「夢がある」と感じる馬券の多くは、期待値がない
という現実です。
夢のある馬券の典型例
- 買い目が20〜30点以上に広がった三連単
- 前走も今走も根拠が薄い大穴の単勝
- その日だけ急に賭け金を何倍にも増やした「逆転狙い」
これらに共通しているのは、
- 当たればデカい
- しかし、当たる確率についてはほぼ考えていない
というところです。
頭の中にあるのは、
「当たったときの払戻金」だけ。
- 「この買い方は、同じ条件で1,000回打ってプラスになるか?」
- 「この穴馬のオッズは、来る確率に対して本当に甘いのか?」
そういった 期待値の視点がすっぽり抜け落ちている ことが多いです。
夢のある馬券を否定したいわけではありません。
ただ、
「夢がある=期待値がある」ではない
ここを取り違えると、
静かに資金を溶かしていくだけになります。
「夢」を追うと、負け方がどんどんダサくなる
もうひとつ問題なのは、「夢のある馬券」はメンタル面も壊しにくる、ということです。
① 取り返し思考が加速する
- 大きく負けた → 一撃で取り返したくなる
- GⅠや重賞 → 「ここで当てれば話題になる」と思う
こうして「夢」を理由に賭け金が膨らんでいくと、
- 外れたときのダメージが大きくなる
- ダメージが大きいから、さらに大きな夢に賭けたくなる
という 負のループ に入りがちです。
② 理論より「ノリ」が優先される
普段は真面目に指数を作ったり、データ分析していたとしても、
- 「今日は祭りだから」
- 「このレースだけは直感に従いたい」
みたいな理由をつけて、
自分の理論を平気でねじ曲げてしまう 瞬間が増えていきます。
一度それを許すと、
「あのときもノリで当たったし、今回も…」
と、だんだん “理論より場の空気”で張る人間 になっていきます。
そうなると、
どれだけ普段の分析が精密でも、トータルでは簡単に崩れます。
では「プライドを乗っける」とはどういうことか?
ここからが本題です。
馬券に「プライドを乗せる」とは何か?
私がイメージしているのは、だいたい次のようなことです。
① 自分の理論・ルールを「裏切らない」というプライド
- どんなにGⅠでも、
- どんなに世間が盛り上がっていても、
- どんなに「夢のある穴馬」がいても、
「自分で決めたルールを崩さない」
というプライドを持つことです。
- 買うレース/買わないレース
- 買う条件に当てはまる馬/外れる馬
- 1レースあたりの上限金額
こうしたルールを、
「今日は特別だから」という言い訳で簡単に変えないこと。
それが「プライドを乗せる」という感覚に近いと思っています。
② 「負け方」にも美学を持つこと
どうせ負けるにしても、
- 適当に広げた三連単がスカった負け方と、
- 自分のロジック通りに選んだ馬が普通に負けたケース
どちらが納得できますか?という話です。
私は、
「自分の理論を貫いた結果の負け」なら、いくらでも受け入れられる
けれど、
「ノリで買った夢馬券がスカって、
結局トータルマイナスでした」
という負け方だけは、どうにもダサく感じてしまいます。
プライドを乗せるというのは、
「負けたときに、せめて胸を張れる買い方をする」
という意味でもあります。
③ 「資金を守ること」にもプライドを持つ
馬券に夢を求めると、
どうしても「勝ったときの額」に目が行きがちですが、
- 軍資金を守る
- 口座の残高を極端に削らない
- 生活を壊さない
これも立派な 競馬のスキル です。
- 決めた金額以上は絶対に賭けない
- 負けが続いても、額を倍プッシュしない
- GⅠだからといって、上限を勝手に引き上げない
こういう 「守るための頑固さ」 を持てるかどうかも、
プライドの一種だと思っています。
実務的に「プライドを乗せる」ためのルール例
抽象的な話だけだとフワッとするので、
具体的にどういうルールが「プライドを乗せる」ことに繋がるか、いくつか例を挙げてみます。
ルール例①:1レースあたりの上限額を決める
- たとえば「1レースの総投資は資金の1%まで」など、
数字で壁を作っておく。
どれだけ自信があっても、
GⅠでも、
土日でも、
この上限は絶対に越えない。
これを守れるだけで、「夢で暴走するリスク」はかなり減ります。
ルール例②:買うレースの条件を決める
- クラス・距離・場別の得意ゾーン
- 自分の指数や理論が効きやすい条件
そういった「勝負レースの条件」を決めて、
- そこ以外は“見”に回る
- どれだけ盛り上がっていても、得意ゾーン以外は触らない
これも立派なプライドです。
「この条件は自分の土俵じゃないからやらない」
と言える人は、
長い目で見て強いです。
ルール例③:当日の“ノリ買い”をしない
- パドックで急に気になった
- オッズを見て「これおいしくない?」と思った
- SNSで見かけた穴推しに乗りたくなった
こういう “その場の気分”での追加購入を禁止する のも一つです。
やるなら、
- 前日 or 当日朝の段階で
- 買うレース
- 買う馬
- 投資金額
を決めて、それ以外は感情を挟まない。
これもまた「プライド」と言っていいと思います。
まとめ:夢ではなく、自分の“格”を馬券に乗せる
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 「夢のある馬券」は、たいてい期待値がなく、資金とメンタルを削りにくる
- 夢を追い出すと、
- 取り返し思考が加速
- 理論よりノリで買う習慣がつく
→ 長期的に見て、負け方がどんどんダサくなる
- だからこそ、
馬券に「夢」を乗せるのではなく、
自分の「プライド」を乗せるべきだ - ここで言う「プライド」とは、
- 自分の理論・ルールを裏切らない頑固さ
- 負け方に対する美学(納得できる負け方を選ぶ姿勢)
- 資金を守ることに対する責任感
- 実務的には、
- 1レースの上限金額を決める
- 買う条件(得意ゾーン)を決める
- 当日のノリ買いをしない
といったルールを、「例外なく守り続ける」ことが重要になる。
馬券は「夢」じゃなくてもいい。
- 自分の理論に賭ける
- 自分のルールに賭ける
- 過去の自分の努力に賭ける
そうやって、自分の“格”を賭けて買う馬券のほうが、
一時の花火より、ずっと重くて、ずっとカッコいいと私は思っています。

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