競馬の予想をするとき、
どうしても気になってしまうのが「前走タイム」です。
- 前走の持ちタイム順位(タイムランク)
- クラス内でのベストタイム
- 「この馬だけ前走が時計抜けてるじゃん!」というやつ
パッと見で分かりやすい指標なので、予想ファクターとして重宝されがちです。
しかし、私の結論はタイトルの通りです。
前走タイムランクよりも、“そのレースのメンバーレベル”のほうがずっと大事
だと思っています。
この記事では、
- なぜタイムだけを追いかけてはいけないのか
- タイムは「買い材料」ではなく「足切り材料」として使うべき理由
- メンバーレベルを読むことが、なぜ回収率アップに効くのか
を、順番に整理していきます。
タイムはペースとトラックバイアスに大きく左右される
まず大前提として、
タイムは「馬の能力」だけで決まるわけではない
ということです。特に芝は、その傾向が顕著です。
① ペース次第で時計は大きく変わる
同じ馬、同じコース、同じ距離でも、
- スローの瞬発力勝負
- 平均ペースの総合力勝負
- ハイペースの消耗戦
これだけでタイムはガラッと変わります。
- スローならラスト3〜2ハロンだけ速く、全体時計はそれほどでもない
- ハイペースなら全体時計は速くなりやすいが、ラストはバテ合いになる
つまり、
「時計が速い = 馬が強い」
「タイムランク上位 = 能力上位」
とは、必ずしも言えないわけです。
② トラックバイアス(馬場状態・傾向)も大きい
当日の馬場傾向、いわゆるトラックバイアスもタイムに直結します。
- 芝が超高速で「前有利・内有利」の日
- 重馬場・不良馬場で全体的に時計がかかる日
- コース替わり直後で馬場がフレッシュな日
こうした要素にもろに影響されるため、
- 「高速馬場の前残りレースでの好タイム」
- 「重馬場で消耗戦になった結果の遅いタイム」
だけを比べて、
「前者のほうがタイムが速いから強い」
と判断するのは、かなり乱暴だと言わざるを得ません。
タイムは「買える馬を探す」より、「足切り」に向いている
タイムが当てにならない、と言いたいわけではありません。
むしろ、使い方次第で有効なツールだと思っています。
私の中で、タイムの役割はこうです。
タイムは「買える馬を探す武器」ではなく、
「買ってはいけない馬を切るためのフィルター」 に向いている。
「さすがにこれは足りない」というラインを引く
例えば、
- 直近数戦のタイムが、同クラスとして明らかに遅すぎる
- 良馬場での自己ベストが、平均的な勝ち時計と比べて大きく見劣りする
- 馬場・展開補正を加味しても、「この水準では通用しない」と判断できる
こういう馬を 「足切り」する材料としてタイムを使うイメージです。
つまり、
- タイムが良いから買う:✕
- タイムがあまりにも悪いから切る:○
この発想に変えた瞬間、
タイムを見る目線がかなりラクになります。
タイムは誰でも見られる。だから「好タイム=儲かる」とは限らない
もう一点、期待値の観点から重要なことがあります。
タイム情報は、誰でも簡単に見られるオープン情報 だということです。
- 競馬新聞
- ネット競馬サイト
- 各種データベース
どこを見ても、
- 前走のタイム
- クラス内の持ち時計順
- タイム指数・スピード指数
といった情報は、ほぼ標準装備になっています。
みんなが見ている情報に、基本的に“妙味”は乗らない
競馬で儲けようとするときの前提はシンプルで、
多くの人が見落としている価値を見つける
or
多くの人が過大評価している馬を避ける
このどちらかです。
タイムは「多くの人が見る情報」なので、
- 好タイム → 人気になりやすい
- 持ち時計上位 → コメントでも取り上げられやすい
という構造があります。
つまり、
「タイムが良い馬」をそのまま素直に買っても、
オッズにすでに織り込まれていることが多い
ということです。
- 当たるけれど儲からない
- 回収率が伸びない
というパターンに陥りやすいのは、このせいだと感じています。
メンバーレベルは“見えづらい分だけ”価値がある
一方で、「メンバーレベル」はどうでしょうか。
- 前走で戦ったメンバーが強かったのか、弱かったのか
- そこで好走したことに、どれほど意味があるのか
- そのレースのレベルが、今走のメンバーと比べてどうか
これをちゃんと評価しようと思ったら、
- レース映像を見る
- 他馬のその後の成績を追う
- クラスの流れや世代レベルを把握する
など、ある程度の手間とスキルが必要になります。
メンバーレベルの分析には「労力」がいる
例えば、
- 前走は時計だけ見ると平凡だが、メンバーにその後の重賞好走馬がズラリ
- 着順は悪いが、勝ち馬〜3着馬が次走以降も上のクラスで好走している
- 条件戦なのに、後にオープンで戦う馬が複数混じっていた
こういった「レース単位のレベル感」は、
タイム欄だけを眺めていても見えてきません。
だからこそ、
メンバーレベルを正しく読むことができれば、
それは他人が簡単に真似できない“エッジ”になる
と考えています。
タイムでは拾えない「地味な好走」をメンバーレベルが教えてくれる
メンバーレベルを意識するようになると、
タイムや着順だけ見ていたらスルーしてしまうような「地味な好走」
に気づけるようになります。
例えば、こんなケースです。
- 前走:7着、タイムも平凡
- ただし勝ち馬〜3着馬は、次走で上のクラスをあっさり突破
- レース全体のレベルが高すぎただけで、この馬の内容自体は悪くない
- 前走:4着、着差も微妙
- 先行勢総崩れの中、唯一粘っての4着
- 数字に残らない「中身の濃い競馬」をしていた
こういう馬は、
- タイムランク上位でもなければ
- 派手な着順でもないため
人気になりにくい反面、
「メンバーを含めたレースレベル」を見れば、評価すべき材料が隠れていることが多いです。
ここに、回収率アップのタネが眠っています。
タイム<メンバーレベルというスタンスで予想を組み立てる
では実際にどう予想に落とし込むか。
私の中では、ざっくり次のような優先度にしています。
- まずメンバーレベルを重視する
- 前走・前々走で戦ってきた相手関係
- そのレースからの「出世馬」の数
- 着順以上に評価すべき内容があったかどうか
- タイムは足切りとして使う
- さすがにこの時計では厳しい、という馬を除外する
- 「好タイムだから積極的に買う」ではなく、「致命的に遅くないか?」を見る
- タイムの良い馬は“人気とのバランス”をチェックする
- タイムが評価されすぎて過剰人気になっていないか
- メンバーレベル的には大したことがないレースでの好タイムではないか
この順番を意識するだけで、
- タイムに振り回されて、結局人気馬ばかり買ってしまう
- 結果として回収率が伸びない
という状態から、少しずつ抜け出しやすくなります。
メンバーレベルを読むスキルは「面倒くさい」からこそ価値がある
最後に、大事なポイントをもう一度。
タイムは誰でも簡単に見られるけれど、
メンバーレベルの分析は、面倒くさくて手間がかかる。
だからこそ、
- 多くの人はそこまでやらない
- やる人とやらない人で、情報の質に差がつく
- その差が、長期的な回収率の差として現れてくる
と考えています。
まとめ:タイムに安心を求めず、メンバーを見るクセをつける
改めて、この記事のポイントを整理します。
- タイムはペースやトラックバイアス(特に芝)に大きく左右される
- タイムを「買い材料」として盲信するより、「足切り材料」として使うほうが健全
- タイムは誰でも見られる情報なので、好タイム=儲かるとは限らない
- 一方で、メンバーレベルは詳細な分析が必要で、スキルと手間が求められる
- だからこそ、メンバーレベルを読む力は“他人と被りにくいエッジ”になりうる
結論としては、
「前走タイムランク」よりも、「そのレースのメンバーレベル」を重視すること。
タイムに安心感を求めた瞬間、
あなたの馬券は「みんなと同じゾーン」に溶けていきます。
次に予想するとき、
前走タイム欄を眺める前に、ぜひ一度こう自問してみてください。
「この馬が戦ってきた相手は、本当に強かったのか?」
「この着順、この時計に、どれくらいの価値があるレースだったのか?」
その問いかけを繰り返していくことが、
タイム偏重から抜け出し、
メンバーレベルで差をつける競馬への第一歩になるはずです。

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