競馬新聞でもネット競馬でも、「前走1番人気」という文字を見ると、なんとなく安心して印を打ちたくなりませんか?
- 「前走で1番人気に支持されたくらいなんだから、能力はあるはず」
- 「評価されていた馬が、今回は指数1位ならさすがに信頼したい」
こういう“安心感”は、馬券を買う側の心理としてはとても自然です。
ただ、私は自分でデータを集計してみて、
この安心感こそが、回収率を削る大きな要因になっている と感じるようになりました。
結論から言うと、
「前走1番人気だった馬」を機械的に買い目から外すだけで、
指数1位全体の回収率は素直に良くなる可能性が高い
というのが、今の私のスタンスです。
この記事では、
- 指数1位の「素の成績」
- その中で「前走1番人気」だった馬だけを抜き出した成績
- なぜ前走1番人気は“当たるのに儲からないゾーン”になりがちなのか
- 実際にどうフィルタとして使えばいいか
を整理してみたいと思います。
素の指数1位は、それなりに強い
まず前提として、私が使っている指数1位(約5年分)の 素の成績 はこんな感じです。
- 対象件数:11,557件
- 回収率:104.4%
- 勝率:21.0%
(※ここでは単勝ベースの成績として話を進めます)
これだけ見ると、
- 「指数1位だけを機械的に買っても、長期的にはプラス」
- 「少なくとも大きく負ける指数ではない」
という、かなり優秀な状態だと言えます。
ただし、ここからさらに回収率を上げていこうと思ったときに重要になるのは、
「どのゾーンを削るか」
です。
当たりやすいところを削るのは、
感情的には怖いですが、
“期待値の低いゾーン”を消していく作業 こそが、
回収率アップのためのフィルタリングになります。
前走1番人気の成績を抜き出してみたら…
そこで、指数1位の中から 「前走1番人気だった馬」 だけを抜き出して成績を見てみました。
結果はこうです。
- 対象件数:1,009件
- 回収率:87.8%
- 勝率:39.2%
数字だけ並べると、かなり特徴的です。
- 勝率:39.2%
- これは指数1位全体の勝率21.0%と比べても、明らかに高い数字です。
- 「めちゃくちゃ当たりやすいゾーン」であることは間違いありません。
- 回収率:87.8%
- 一方で、肝心の回収率は 指数1位全体より大きく劣る 結果になっています。
- 簡単に言えば、「よく当たるけど儲からない」ゾーン です。
この時点で、かなりはっきりした構造が見えてきます。
「前走1番人気 × 今走指数1位」という条件は、
“安全そうに見えるが、期待値的には割に合わないセット” になりがち
ということです。
なぜ前走1番人気は“儲からないゾーン”になりやすいのか?
ここで、なぜ前走1番人気が期待値を押し下げるのかを、少し分解してみます。
① 「前走評価」+「今走指数」で、人気が二重に上乗せされる
前走1番人気ということは、
- その時点で「この馬は強い」と多くの人に評価されていた
- 今回も指数1位で、客観的にも能力面の裏付けがある
という “評価の二重取り” の状態になりやすいです。
するとどうなるかというと、
- 単勝オッズが過剰に下がりやすい
- 本来の勝つ確率以上に「安心料」が上乗せされてしまう
という構造が生まれます。
結果、
「勝つ確率の割に、オッズが全く割に合っていない」
=“当たるけど儲からない”典型パターン
になってしまうわけです。
② 「裏切られるのがイヤ」という心理が、さらにオッズを締める
人間の心理として、
- 一度信じた馬がしっかり走ると「やっぱり強い」と思う
- 一度裏切られた馬でも、前走1番人気だったなら「今回は巻き返してくれるかも」と感じやすい
という “期待の継続” が働きます。
そこに指数1位という材料が乗ることで、
- 「前走も評価されていた+今走もデータ上強い」
→ 「これはさすがに買わないとマズい」と感じる人が増える
→ 結果として、オッズがさらに辛くなる
という流れになります。
③ 解説・印の世界でも扱いやすい「無難な本命」
前走1番人気+今走指数1位の馬は、
- テレビやネット番組の解説
- 予想欄の本命
- SNSの◎▲○
どこから見ても “無難な本命” になりやすい存在です。
- 「この馬は買わなきゃダメでしょ」と語りやすい
- 外れても「まぁ仕方ない」で済ませやすい
という意味でも、
多くの人が賭け金を集中的に投下しやすいゾーン です。
当然ながら、そういう馬は 総予算に対して賭け金が集中しすぎる ので、
オッズは適正値より下がりやすくなります。
当たりやすさを捨ててでも「前走1番人気」を切る価値
ここで、あらためて数字を眺めてみます。
- 素の指数1位:
- 勝率 21.0%
- 回収率 104.4%
- 前走1番人気 × 指数1位:
- 勝率 39.2%(めちゃ当たる)
- 回収率 87.8%(しっかり負けている)
つまり、
- 「的中」だけを追い求めるなら、前走1番人気は超優秀なゾーン
- 「回収率」を重視するなら、むしろ 真っ先に削るべきゾーン
という、きれいな対比になっています。
ここで大事なのは、
「当たるかどうか」ではなく、「儲かるかどうか」を軸に考えること
です。
- 当たりやすいけれどマイナスのゾーンを買い続けるのか
- 当たりにくくてもプラスのゾーンを積み上げるのか
長期的に軍資金を増やしたいなら、
後者を選ばざるを得ません。
そのための、分かりやすい一手が、
「前走1番人気を機械的に切る」
というルールです。
シンプルな足切りルールとしての「前走1番人気カット」
私自身は、このルールを “足切りフィルタ” として使っています。
やることは本当にシンプルです。
- まず指数1位をピックアップする
- 馬柱の「前走人気」を確認する
- 前走1番人気だった馬は、基本的に買い対象から外す
これだけです。
このルールの良いところは、
- 条件がシンプルで曖昧さがない
- 母数も十分ある(1,009件)ので過学習リスクが低い
- 「期待値を削るゾーン」をハッキリ切り取ってくれる
という点にあります。
もちろん、例外的に買いたくなるケースも出てきます。
- 新馬戦・重賞など、特殊な条件
- どう見てもメンバーが楽になっている
- オッズが異常に甘い(明らかに人気が落ちすぎている)
そういうときに あえてルールを破るかどうか は、
各自のスタイル次第でよいと思います。
ただ、ベースとしては、
「迷ったら前走1番人気は切る」
くらいにしておいたほうが、
トータルでの回収率は上がりやすいと感じています。
まとめ:「安心感のあるゾーン」を疑う目を持つ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 指数1位全体の成績(約5年・11,557件)は、
- 回収率 104.4%
- 勝率 21.0%
→ そのままでも十分戦える水準
- その中から「前走1番人気」だった馬だけを抜き出すと、
- 1,009件で
- 回収率 87.8%
- 勝率 39.2%
→ 「よく当たるけれど、しっかり負けているゾーン」 になっている
- 理由としては、
- 前走評価+今走指数で人気が二重に上乗せされる
- 解説者・馬券ファンの「安心本命」として買われやすい
- その結果、オッズが期待値以上に締まりやすい
- だからこそ、
「前走1番人気だった指数1位は、原則として買わない」
というシンプルな足切りルールは、
手軽に回収率を押し上げるフィルタになり得る。
競馬で勝ちたいなら、
「安心して買えるゾーン」ほど疑ってみる 視点が大事です。
前走1番人気は、
まさにその“安心ゾーン”のど真ん中にいます。
次に指数1位の馬を眺めるとき、
一度だけでいいので、
「この馬、前走1番人気じゃなかったっけ?」
と目を止めてみてください。
その一手間が、
あなたの馬券を “当たりやすいけど減り続ける馬券” から、
“当たり方は地味だけど増え続ける馬券” に変える
きっかけになるかもしれません。

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